分科会5:子ども

子どもの「自分らしさ」と
「生きにくさ」をめぐって

多様な子どもたちが「自分らしく」、社会とつながり安心して暮らせる支え方を検討するシンポジウム。

分科会5 子ども

時間

12:30~14:55

会場

奈良県社会福祉総合センター5階
研修室B・C

アクセス

形式

シンポジウム

京都大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得退学。臨床心理士、公認心理師。京都市の教育相談機関勤務を経て、現職。現在も京都や奈良の教育機関・福祉施設で、教育相談および子育て相談に携わっている。専門は児童思春期心理臨床、教育臨床心理学。
子どものいわゆる「問題行動」とされるものは、子どもと周囲の環境や他者との相互作用のもとに提示されるものと考え、彼らが何を私たちに提示しようとしているのか、その意味と向き合うことを大切にして心理臨床を行っている。

発表者

児童精神科医。学生時代より自閉症や不登校に関心を持ち、奈良県立医科大学卒後、同大学精神医医学講座に入局。児童精神医学領域を専門として、同大学精神医学講座助教授を経て、同大学看護学科教授、看護学科長を経て定年退官後現職となる。学会では日本児童青年精神医学会元理事長、日本子どものこころ専門医機構副理事長、日本ADHD学会理事である。神経発達症や不登校児の心の寄り添うためにどうあるべきか考えながら記した「注意欠如・多動症の診断治療ガイドライン第5版」「脳とこころのプライマリケア4」「子どもの心の診療シリーズ8」などの著書がある。

発表者

京都府立大学大学院修了後,日本学術振興会特別研究員(PD),国立大学法人佐賀大学文化教育学部専任講師を経て,2015年より現職。
専門領域は発達心理学,主に乳幼児期や自閉スペクトラム症をもつ幼児・児童のコミュニケーション能力の発達的変化について研究をしています。近年では自閉スペクトラム症にみられる「こだわり」の変容過程とコミュニケーション能力の発達との関連について研究を進めています。

発表者

奈良教育大学大学院卒業後、様々な職種を経験し、2008年(平成20年)に奈良県教職員として採用されました。奈良市内の中学校で8年間勤務後、大和郡山市内の中学校に9年間勤務し、今年度から分教室「ASU」主任となりました。
現在、勤務している分教室「ASU」は2003年(平成15年)に小泉内閣の教育特区の指定を受け、翌2004年(平成16年)4月に学科指導教室「ASU」として開室しました。2023年(令和5年)度よりそれまでの城址会館から場所を変え、リニューアルをして「学科指導教室」から郡山北小学校・郡山中学校の分教室「ASU」として新たなスタートをきりました。現在、大和郡山市には11の小学校と5つの中学校があります。郡山北小学校・郡山中学校分教室「ASU」は、その16校に在籍し心理的な理由などから通常の学校生活に支障をきたした不登校状態の児童、生徒に対して、「心の居場所つくり」を大切にしながら、適切な指導のもとその心理的な不安などの改善に努め、社会的な自立を支援し教育の機会を提供することを目的として教育活動を行っています。今年で「ASU」は22年目を迎えます。
「ASU」という学びの多様化学校、不登校特例校で勤務して得た新たな学びや気づきを女性会議の分科会でみなさんと共有できたらと思います。

分科会内容

■シンポジウム
子どもの「自分らしさ」と「生きにくさ」をめぐって
一般社会の世界観に自分を合わせるのが難しい子、非常に感受性が豊かで他者からの刺激に敏感になってしまう子…こういった子どもたちは何らかの「生きにくさ」を抱えていることが多いと思われます。多様性を認め合う社会において、このような子どもたちをどのように理解し、どのように支えるかということは、重要な課題です。彼らの活動の場や支援プログラムなどが、この頃は多く見られるようになりました。社会適応を目指すことは、「生きにくさ」と低減させる上で大切です。一方でそのことが「自分らしさ」を失うことにつながっていかないだろうかという危うさを感じることもあります。あるいは、集団活動への参加に困難のある子どもに対して、その困難さを理解し受け入れることは大切です。しかし、それが本当にその子の「自分らしさ」を守ることになるのかというと、そこに疑問が生じることもあります。彼らが「自分らしさ」を失わずに、かつ生き生きと社会とつながっていくには、どのような向き合い方、どのような支援のあり方が望ましいのでしょうか。「不登校」と「発達障害」を手がかりとして、このテーマについて考えてみたいと思います。