分科会2:歴史・文学

日本国の始まり
その時代を生きた女性たち

歴史学、文学などの研究により明らかになっている藤原京とその時代を生きた女帝を中心とした女性の実像を紹介します。

分科会2 歴史 ・ 文学

時間

12:30~14:30 (前半分科会)

会場

奈良県橿原文化会館 小ホール

アクセス

形式

講演

講演

主に7・8世紀の文学や、漢字の運用について研究し、奈良大学にて『古事記』の神話や、『万葉集』についての授業を行っている。「実地見学踏査」の授業では、教室を飛び出して奈良の各地を教材としながら、神話や万葉集を体験する授業を行っている。
1980年愛知県出身。愛知県立大学文学部卒業。博士(国際文化)。九州共立大学を経て、現在、奈良大学文学部国文学科准教授。主要著書は『万葉をヨム 方法論の今とこれから』(笠間書院、共著)、『万葉集の基礎知識』(KADOKAWA、共著)、『万葉考古学』(KADOKAWA、共著)など。2021年度(第14回)萬葉学会奨励賞受賞。

講演

1982年3月東京大学文学部国史学科卒業
1984年3月同大学大学院人文科学研究科国史学専門課程修士課程修了
1989年3月同大学大学院博士課程単位取得退学
1989年4月奈良国立文化財研究所平城宮跡発掘調査部史料調査室研究員に採用
同所同部主任研究官、独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所都城発掘調査部史料研究室長、同所都城発掘調査部副部長
同所副所長を歴任
2020年3月奈良文化財研究所定年退職
2020年4月より現職

分科会内容

■講演
日本国の始まり その時代を生きた女性たち
1,300年前の日本を生きた女性の実像を、歴史的研究、文学的研究から紐とき、現代女性との対比により、ジェンダー問題の社会的背景を考えます。

1.講演
万葉集にみる古代の女性

奈良大学文学部国文学科准教授 鈴木 喬

「元始、女性は太陽であった」(平塚らいてう)。文字通り、神話の世界では、女神・アマテラスは太陽神であり、世界における秩序の中心で描かれます。人間の世になると、男が女の家に通うという、当時の婚姻形態を背景として、『万葉集』をはじめ、古典文学では「待つ女」が一定の型として描かれます。一方で、『万葉集』は、待つ女、耐える女性の歌ばかりではありません。男性と対等に歌を交わし合うのです。そのような「待つ女」ではない、女性の歌を介し、古代の女性について考えてみたいと思います。

2.講演
古代の女帝たちの実像に迫る

奈良大学文学部教授 渡辺 晃宏

日本の歴史では8代10人の女性天皇が知られており、このうち8代6人は、古代の6世紀末から8世紀までに即位した天皇です。推古、皇極(斉明)、持統、元明、元正、孝謙(称徳)の女帝たちです。女帝は中継ぎのための存在とされることも多いですが、本当にそうだったのでしょうか。なぜこの時代に女帝が多いのかを個別に再検討しながら、これら古代の女帝たちの果たした本当の役割について考えていきたいと思います。