分科会7:教育とジェンダー

奈良で
理工系女性人材を育てる

理工系に参画する女性が少ないのは日本特有の現象です。
奈良における取組から、理工系女性人材育成の現状と課題について考えます。

分科会7 教育とジェンダー

時間

15:30~17:30 (後半分科会)

会場

奈良県橿原文化会館 小ホール

アクセス

形式

シンポジウム

登壇内容

1. はじめに
なぜ女性は理工系に進まないのか?―日本における理工系の女性活躍推進の現状と課題―

奈良女子大学 特任教授 安田恵子

様々な分野で女性活躍推進が進められてきましたが、理工系分野に占める女性の比率は依然低い状態にとどまっています。日本ではなぜ理工系分野で女性の参画が進まないのでしょうか。その原因を探るとともに、理工系分野の女性活躍推進の現状と課題について考えます。

2.講演
女性活躍社会を目指す奈良女子大工学部の取り組み

奈良女子大学 工学部長 久保博子

奈良女子大学は、2022年に日本の女子大で初めて工学部を開設し、4年目を迎える。
女子高等師範学校を前身としている本学は、教員を多く輩出しているだけでなく、理学部や家政系の生活環境学部で理工系の女性を社会に送り出し、卒業生は社会で職業人として活躍していると自負している。しかし、なおも諸外国に比べ工学分野に進出する女性が少なく、OECD諸国の中で工学部卒業者に占める女性比率が最下位である。この状況を少しでも改善し、工学分野で女性の社会での活躍を目指して、様々な取り組みを行っているので報告する。

3.講演
女子学生の価値創造を育む教育アプローチ〜奈良高専発「しなやかエンジニア教育プログラム」〜

奈良工業高等専門学校 女性エンジニア養成推進センター長
顯谷智也子

急激な技術革新や多様化するニーズに応えるべく、エンジニアに求められる姿も、従来の職人気質の専門家から、垣根を越えて異分野の技術・サービスを融合し、新たな価値を創造できるエンジニアへと変化しています。また多様性の観点から、女性エンジニアの社会進出も大いに期待されています。この状況をふまえ、奈良高専では、価値創造を育む教育アプローチとして「しなやかエンジニア教育プログラム」を展開しています。今回は本教育プログラムの紹介も交えながら、次世代の女性エンジニアの育成について一緒に考えたいと思います。

4.講演
大学の研究室で材料加工に挑戦!〜関西科学塾での取り組み〜

奈良女子大学 准教授 松岡由貴

関西圏の5国公立大学が連携して運営する「女子中高生のための関西科学塾」は、大学の研究室で実際に使用している設備を使って実験講座を行う。私は主に形状記憶合金を使った実験講座を担当している。
”金属材料の研究・開発“と聞くと、中高生にとっては普段学校で学んでいる内容とすぐには繋がりにくいようだが、その材料の用途や使用場所を知るとあまりに身近にあることに驚きの声が上がる。むしろ「女子の方が向いて」いそうな材料工学分野もある事を、当日はご紹介したい。

5.まとめ